転職しようか迷っている、という状態が何ヶ月も続くことがあります。求人は見ている。話も聞いた。それでも決まらない。
こういうとき、情報が足りないのだと考えて調べ続けてしまうことがあります。でも、調べても決まらないなら、足りないのは情報ではないかもしれません。何を大事にするかが定まっていないと、材料をいくら足しても選べません。
この記事では、占う前にできる整理のしかたを書きます。そのうえで、カードを使うならどう使えるか、そしてカードには何ができないかを書きます。
転職を迷うとき、何に迷っているのか
「転職するかどうか」という一つの問いに見えて、たいてい中身は複数あります。混ざったままだと、どれも決められません。
よくあるのは次の3つです。
- いまが嫌だ(今の職場から離れたい)
- あっちが良さそうだ(別の場所に惹かれている)
- タイミングが不安だ(今動いていいのか分からない)
この3つは別々の問題です。「いまが嫌だ」の答えが転職だとは限りません。担当を変える、上司と話す、休むといった選択肢もあります。逆に「あっちが良さそうだ」だけで動くと、同じ課題を持ち越すことがあります。
迷いの正体は、この3つのどれが主なのかがはっきりしていないことであることが多いです。
占う前に、今日できること
30分あれば終わります。紙とペンがあれば十分です。
- 3つに仕分ける — いま頭にある不満・期待・不安を、思いつくまま書き出します。書き終えたら、それぞれが上の3つのどれかに印をつけます。偏りがあれば、そこが見直す手がかりになります
- 「転職しなくても手を打てること」に線を引く — 書き出したもののうち、今の場所で試せるものに線を引きます。担当の相談、業務量の調整、休暇。線が多いなら、まだ別の打ち手が残っています
- 分かっていることと、分からないことを分ける — 仕事内容、条件、通勤、一緒に働く人。すでに確認できた事実と、まだ確認していないことを2列に分けます。後者には、調べて埋められるものがあります。迷いの一部は、調べていないだけのことがあります
- 失う側を書く — 得るものは考えやすいのに、失うものは曖昧なままになりがちです。人間関係、慣れ、通勤、任されている仕事。書き出すと比較ができます
- 見直す日を決める — 「いつ決める」ではなく「いつもう一度考える」を置きます。日付があると、それまでは考え込まずに済みます
ここまでで、迷いの形が変わることがあります。決まらなくても構いません。何に迷っているかが分かれば、それだけで十分です。
それでも決まらないとき
上をやっても動けないことがあります。そのときは、決められない理由のほうを見てください。
- どちらも良く見えて決まらない — 比べる軸が多すぎるのかもしれません。自分にとって外せない条件を一つか二つに絞ると、見え方が変わります
- 失敗が怖くて決まらない — 何が起きたら困るのかを具体的に書きます。収入、家族の予定、住まい、在留資格、健康。人によって取り返しのつきやすさは大きく違います。 自分の場合はどうかを、想像ではなく条件で確かめます
- 誰かの期待が引っかかっている — 自分の望みと、周りの期待が混ざっていないか見ます。混ざっているなら、分けて書き出します
動けない状態が続くこと自体も、いまの自分についての情報です。無理に決める必要はありません。
カードを引くという整理のしかた
ここまでやっても言葉にならないものが残ることがあります。頭では分かっているのに気持ちが動かない、という状態です。
そういうときに、カードを考えを引き出すきっかけとして使う方法があります。当てるためではありません。
FORTUNAに登録されている仕事の読み解きは、例えばこうです。
- 愚者 — 正位置では転職や新事業など新しいチャレンジが吉。逆位置では準備不足のまま飛び出すリスクがあるため、計画を練り直しましょう。
- 運命の輪 — 正位置ではキャリアの転機、昇進や異動の可能性があります。逆位置では予期せぬ変化への備えが必要です。
- 力 — 正位置では粘り強い取り組みが成果をもたらします。逆位置では精神的な疲労から燃え尽きに注意が必要です。
- 隠者 — 正位置では専門性を深める研究や学習が吉。逆位置では周囲と情報を共有せず孤立するリスクがあります。
- 女教皇 — 正位置ではデータだけでなく直感も判断材料に。逆位置では情報不足のまま進めるリスクがあります。もう少し調査が必要です。
- 戦車 — 正位置では目標達成やプロジェクトの成功が期待できます。逆位置では焦りや競争心が裏目に出る場合があります。
使い方は単純です。3枚を「いまの状況」「見落としたくないこと」「次の一歩」に置いて引き、その言葉を読んだときに自分がどう反応したかを見ます。
「愚者が出た、じゃあ転職しよう」ではありません。愚者の「新しいチャレンジが吉」を読んで、ほっとしたのか、それとも「いや、そうじゃない」と思ったのか。その反応のほうが情報です。 反発したなら、別の考えや懸念を持っている手がかりかもしれません。
「力」の「燃え尽きに注意」を読んで思い当たるなら、転職の前に休むほうが先かもしれません。「隠者」の「孤立するリスク」が刺さるなら、動く前に誰かに話すほうが先かもしれません。
3枚の並べ方そのものはタロットスプレッドの記事で詳しく書いています。
占いにできないこと
はっきり書きます。
カードは、転職すべきかどうかを教えてくれません。 どの会社が向いているかも、いつ動けば成功するかも分かりません。年収がどうなるかも、その職場に馴染めるかも分かりません。
FORTUNAが持っているのは、22枚それぞれに用意された仕事の読み解きだけです。これはあなたの状況を見て書かれたものではなく、カードごとにあらかじめ決まった文章です。同じカードが出れば、誰にでも同じ言葉が表示されます。
ですから、次のことはしないでください。
- カードの結果を、決断の理由にしない。 「カードがこう出たから転職した」は、あとで後悔したときに引き受けどころが無くなります
- 何度も引き直さない。 望む答えが出るまで引いているなら、あなたはもう望みを持っています。そう気づいたら、いったんカードを閉じて、その望みのほうを書き出してください
- 占いを、調べることの代わりにしない。 転職先の実態、条件、業界の状況は、調べれば分かります。分かることは調べてください
カードにできるのは、自分が何を感じているかに気づく手伝いまでです。最終的に選ぶのはあなたですが、一人で抱える必要はありません。確認できる事実も、周りの人の見方も、同じように材料にできます。
よくある質問
Q. 転職に向いているカードはありますか。 特定のカードが転職を勧めるものではありません。愚者には「新しいチャレンジが吉」とありますが、同じカードの逆位置には「準備不足のまま飛び出すリスク」とあります。カードは方向を指しません。
Q. 良くない結果が出たら、やめたほうがいいですか。 いいえ。良い悪いを判定するものではありません。逆位置の言葉は「気をつける点」であって、禁止ではありません。
Q. 何回引いていいですか。 決めた問いにつき1回で十分です。引き直したくなったら、その気持ちのほうを見てください。
Q. 迷いが晴れないまま時間が経っています。 見直す日を決めておくと、それまでは考え込まずに済みます。その日に決まらなくても構いません。次の見直し日をまた置けば大丈夫です。
Q. 仕事のつらさが強くて考えがまとまりません。 体調や気分の不調が続く場合は、この記事や占いだけで判断せず、医療機関など適切な相談先を利用してください。 判断そのものを先送りにしていい場面です。この記事の方法は、落ち着いて考えられる状態にある人のためのものです。
転職を決めるのは、情報でも占いでもなく、最後は自分です。この記事の前半だけでも、迷いの形は変わることがあります。カードを使わずに整理できたなら、その整理を大事にしてください。
FORTUNAの考え方はブログのご案内でも読めます。
頭の中を一度外に出したいときは、3枚のタロットを引いてみるところから始めてみてください。